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これまでに自分自身が作ってきた二足歩行ロボットをまとめます。その1。
■初代のロボット(第14回robo-oneに参加して、懐かしの坂道を歩く資格審査で落ちました。)
一番最初に作ったのは片腕3自由度、片足7自由度、腰1自由度の全21軸のロボットでした。
何よりもすべてがはじめてでした。
まだCNCは使えず、バンドソーとボール盤と曲げ機で、どれもはじめてでしたががんばりました。
若さが溢れています。
アルミの保護シートが歴戦の中で剥がれるたびに、自分の成長を感じたものです。
全長:340mm
重量:2020g
モータ:HSR-5498SGx20,HSR-5990TGx1
マイコン:AKI-H8-3694
コントローラ:VS-C1
制御回路はリトルバーニングコアの24軸ジッターフリーを参考にしていました。
はじめて作った割にはスタイリッシュだと思っております。
では四肢の軸配置を考察してみます。
◇腕
腕はこのように3自由度であります。当時はもう1自由度ぐらい大目なのが主流だったと思います。
左の図からすれば、ピッチロールピッチになります。
1自由度増やすとすれば、ピッチロールヨーピッチになり、ロールとピッチの間に腕を捻る軸を取り付けます。
攻撃手段は横突きがメインになりますから、単なる振り上げよりも、水平回転軸2自由度の攻撃が効果的でした。
2自由度付けてストロークを稼ぐのがかなり勝負の決め所だったと思います。
とまぁ、始めの腕はそんなモンで3自由度あれば、「どんなところにでも手を出せるだろう」という考えでカンタンな軸配置にしました。
◇脚
片足の自由度はシリアルリンク非直交膝ダブルサーボのヨー軸尽き7自由度になります。
主に横移動と旋回が出来たら勝負になるので・・・(はじめだからそれ以外ができる様になるのはだいぶ先のはなし。)
横に移動するときはロールを2つ回せばいいです。
膝を屈伸させるタイミングを合わせると上手く加速できます。
その動作にヨー軸を用いて両足をハの字に開くを組み合わせれば、信地旋回をすることが出来ます。
足裏は基本的に滑りやすいものですので、開くスピード、大きさは逐一調整が必要です。
◇そのほか機構的な面で工夫されているところ・・・
◎テフロンのスラストワッシャが随所にちりばめられております・・・・。
弁当箱みたいな胴体と、ヨー軸3つの股関節ブロックの間に挟まってる白いものです。
腰ヨー軸、足ヨー軸、腕ピッチ軸・・・全5個。これは当時何にも知らない僕が、ネットで探して見つけた樹脂材料の加工屋さんに、何にも考えず、厚み・外径・内径をメールして作ってもらったものです。
なので、サーボのホーンとかにばっちりな大きさです。一個500円ぐらいで作ってもらいました。
これは効果覿面です。
やらない人はアホとしか言いようがありません。
サーボモータの出力軸はほとんどの場合ピン拘束したぐらいの剛性しかありません。グラグラします。
グラグラしてると、モーションしてもへんな感じ出し・・・、そのうち出力ホーンをとめてるネジが緩んでしまいます。
その先にあるのが、ホーンのセレーションがなめる・・・という事件です。
◎ほとんどのフレームがA5052の曲げコの字パーツになっています。
これとコンビネーションで重要なのが、反対軸を用いた両持ち構造です。
どうして両持ちを必要とするかは簡単、
算数をやった人なら一発です。1本の線を決定するには2点必要なのです。
この一本の線が、サーボの回転軸のことです。1つの軸につき2個の支え(この2個の支え同士は頑丈に結合されている必要があります。)がないと線が決まらないわけです。
そこでさっきのワッシャのこともよりわかります。
ワッシャの入っている軸は、両持ちに出来ないわけです。なので1つの線が決まらず、いろんな線になる⇒グラグラということであります。
ワッシャを入れるとひとつの線と点の関係ではなくなって、円柱と面の関係になります。机の上にトイレットロールが置いてあるのとなんら変わりません。(ココで忘れてほしくないのは、トイレットロールの下の面と机の表面がしっかりくっちて居られるのは、紙の軟らかさと重力のおかげです。)
◎足裏の素材とか
よく見るほかないですが・・・
茶色のものはフェルト素材に滑り止めのブツブツ樹脂がついたものです。
緑色のは判子を押すときの下のゴム板です。
両方ダイソーでそろえました。
他にもさまざまなものが試され、捨てられていきました。
いまでも、この足裏はかなり完成されたものだと思います。
両足でたつときは、フェルトが接触している率が高くすべり安いですが、片足のときはより踏み込まれ滑りづらくなります。
また、着地時の衝撃緩和に判子のゴムはちょうど良いです。必ずしもうれしくは無いですが、少し厚みがあるといいと思います。がフェルトなどモフモフなものが分厚いのはダメです。バランスボールの上に立っているような状態になります。
■3代目のロボット
2代目はまぁ、うまく行ってないわけです。
片腕4自由度、片足7自由度、腰2自由度、全24自由度であります。
腕も脚もシンプルですが、変則的なものです。
腕はピッチロールロールロールです。
脚はヨーロールピッチピッチピッチロールヨーです。
シリアル直交膝シングル足裏ヨーです。
腰には、ピッチ軸が追加されております。
何で、腰がヨーピッチの順なのかは、ゴルフを思い浮かべていただければお分かりになると思います。
全長:370mm
重量:2100g
モータ:HSR-5498SGx21,HSR-5990TGx1
マイコン:AKI-H8 3694
コントローラ:VS-C1
回路はLBCです。
◇たいして面白いところがありません。
このときから、材料の多様性を唱え始めていました(1人で)。
アルミとCFRPはフツーに使われる材料でした。環境がよくドライカーボンの板も、プリプレグもありましたので、少しはCFRPを使うことも出来ました。
ですが、樹脂材料の利用はなかなか難しいところです。
サークルには既にマグネシウム合金をつかった例もありましたが、入手困難かつ高価であったため嫌われていました。
樹脂材料は切削性がよく、僕の使っていたCNC(オリジナルマインドのブラックです。)ではアルミに比べて圧倒的な開発速度を実現できる可能性がありました。
サークルでは大会の1月ぐらい前には、CNCを利用する争いが寝てもさめても続く状態です。ブラックは良く戦っていました。おおよそ1人1台のロボットを製作します。同時に5台ぐらいのroboone向けの2足歩行ロボットが削られるわけですから、戦争みたいなものです。
設計はとっくに完成しているのに、加工が始められないということもザラにありました。
その中で、POMやABSそしてPCという樹脂は慢性的な加工時間不足を解決できるのでは?と思っていたわけです。
加えてアルミの半分程度の比重であるため、ロボットの軽量化ができるのでは?という希望もありました。
POMを1畳買いまして(5ミリ頼んだら5.5ミリが届きました…いい勉強でした。)、加工具合などいろいろやりましたし、しっかり設計に組み込みました。足裏や、ふともも、スネに使われています。
加工速度は単純に5倍ぐらいになります。5ミリのPOMと1.5ミリのA5052ですからやばい。加えて、アルミは切削油を使ってましたが、そんなものいらなくなりました。加工後の処理工程の短縮にもなりました。
しかしながら、そのときは剛性がなく使いどころがかなり難しいという結論になりました。特に胴体⇒下半身に掛けては使いどころはほぼないと思われました。
加工が速くても、比重が小さくても、剛性が無くてはネジひとつ、しっかり締められなかったわけです。
M2のタップは強度が無く、直ぐになめてしまう恐れがあるのでM3のタップを立てます。なのでそれなりの厚みが必要なりました。これは返って重量の増加を招いたのでした。
A5052の1.5mmの曲げを利用した設計理念はかなり完成されたものだったといえます。
この段階では、2年生春ぐらいだと思います。まだ、いろいろと試行錯誤で安定は程遠いものでした。
確定したことは
・両持ち構造
・片持ちスラスト構造
・A5052コの字パーツ
これは絶対にはずせないものです。
にわかにZMP規範の動歩行をしたいと思い始めていたので、逆運動学で指示のとおりに動かすために十分な剛性を得るのが絶対的なものになっていました。
では、次回にかなり安定したモデルを、
そしてまんぞくして設計が飛躍し始めたものをまとめることにします。
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